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【アマプラ映画レビュー】シン・エヴァンゲリオン劇場版 日本アニメのここが安易

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『エヴァンゲリオン』とジブリ作『天空の城ラピュタ』に共通する安易な点

今日はシン・ウルトラマンに続き庵野秀明監督の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の視聴感想を書きます。
*重要なネタバレはございませんが、キャラクター名や使用音楽などは少々記述がございます。

まず、エヴァやジブリだけでなくそのほかの日本作品でも感じられる安易なことをちょっと綴っておきたい。未視聴の方はこちらAmazonプライムで↓

シン・エヴァンゲリオン劇場版

日本の作品で安易なものそれは、

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聖書から引っ張りすぎということ

 

日本の作品の一部はキャラクター名や場面設定、必殺技やアイテム、土地の名前や世界観に聖書からパクったり引用したりし過ぎなんだよ。と思います。

例えば、ジブリの『天空の城ラピュタ』に出てくる巨大な敵の戦艦はゴリアテといういかにも聖書な名前です。ゴリアテとは3mあったという無敵の巨人でしたが、ユダヤ人のダビデが投石器で殺した相手。そういうお話とキャラを聖書から引っ張ってきている。
今回のシン・エヴァンゲリオンに限らずエヴァはそもそも聖書からの名前だし、筋も使徒を絡めた世紀末的な話題なのだから、それはそれでいいだろうという意見もあるかと思いますが、本当にそこを大事に扱ってる?と感じます。
今回の作品でも簡単に耳に入ったもので、イスカリオテやゴルゴダ、イスラエルのネブカドネザル王といった名前が聖書から引用されています。
これって、日本人がやるべきことなのか?製作者は敬虔なキリスト教かユダヤ教徒なのか?どうしても必要な名前なのでしょうか?例えば日本人がそういう聖書やその時代からの名前を使う事は、キリスト信者である欧州人が禅だ仏陀だと騒いだり、欧州のアニメ作品で「空海は必殺技南無阿弥波動拳を使ったが、希玄は天に五輪書をかざして道元に変身しそれを防いだ!」みたいなことをやっているわけです。それって聖書を精読し研究した結果止むに止まれずの引用なのか?安易に引っ張ってきただけか?甚だ疑問に思ってしまいます。

どうしてこういうことが起こるかというと、まだ見ぬ未知の存在やあやふやなものを描こうと試みるとき、神話や伝説、宗教の助けを借りたがる性癖が日本の製作者にはよく見受けられます。それを行うことでなんとなく威厳があるように感じたり、チープなものが高貴に思えたり、虚構が現実っぽく見えたりする効果があるからです。また、ゼロからネーミングや話の筋を考えるよりも簡単で説得力がある(ありそうに思わせる)のが理由でしょう。

エヴァとイスカリオテとネブカドネザルの関係性をどれだけの日本人が理解しているのか?安易すぎやしないか、或いは高尚すぎやしないかと感じてしまいます。その点でスター・ウォーズのキャラクター名は優れていると思います。覚えやすいのに独自性がある。ボバフェット、アナキン・スカイウォーカー、ジャバザハット、ハン・ソロ、オビ=ワン・ケノービetc。

つまりこの名付けの苦悩の工程を省いたり、楽な方へ進めたり、なんとなく聖書寄りに物語を絡める作品の多いこと。

 

さて、グチが長くなりましたがシン・エヴァンゲリオン劇場版の良いところを書きますね。

 

シン・エヴァ劇場版のここがイイ!

その1:CGアニメーションの色彩が半端ない。独自な世界観でかっこいい。パーティクルを使った映像も見応えがある。

その2:絵の統一感のなさが逆に印象的。作中では写真かと思わせる画面や、スケッチ、3DCG、コンピューターアニメーション、劇画、実写っぽい映像など多彩な画面構成が次々と入れ替わります。文字で書くと混乱しそうなこれらの異なるタッチの画面が違和感なく、小気味よいテンポの中で進みます。これはなかなかできる芸当とは思えません。あっぱれ。

シン・エヴァのここが気になる

その1:上述のキリスト教・聖書系命名の偏向

その2:音楽に2021年らしさがもっと欲しかった。映像はカッコよかったのですが、戦闘シーンでは鳴きのエレキギター、悲しみにはアリアや聖歌、重厚なシーンにはオペラ、みたいな従来通りの選曲がちょっと物足りなさを感じました。映像とはばっちり合っているのですが、庵野さんらしく突き抜けるような目新しさやチャレンジが音楽にも欲しかったなぁと思います。唯一昭和歌謡っぽい柔らかで呑気なジャパニーズポップスを使ったシーンは画面の重要性とのコントラストが効いていてよかったです。

 

総体的な感想

話がチープ。ラストの終わらせ方がよくある雰囲気で、音楽も40代向けで新たなチャレンジに欠ける。昔、テレビや友人の家で興奮して観たあの初期シリーズの独自性やカリスマ的な画面構成は失われていた。もちろんCGのクオリティーや場面の面白さ、アニメーションの豊かさ、新しい技術の目新しさ、作画の素晴らしさなど流石に庵野秀明作品だなと思わせるシーンもありました。しかし、誰かに「ちゃんと終わらせて」と頼まれて渋々作ったのかなぁという印象を受けてしまうような物足りなさがあったのも事実です。しっかり終わらせてファンを納得させるという意味では成功したのかもしれませんし、見納めたいというファンの欲求には十分答えた作品とも言えるとは思います。

以上が2022年に視聴した『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の感想です。このリンクから現時点(2022/11/24)ではAmazonプライムビデオにて観ることができます。見終えた方は感想をコメントでください。バズメン君は決してエヴァンゲリオンのことが嫌いではないです。いくつかの点を除けば世界に誇れる稀有な作品だと感じております。では、次回の映画レビューでお会いしましょう。最後までありがとうございました。

 

 

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