初心者バズメンくんのカメラ実験と映画日記です。

cinema_and_books映画&ブックレビュー
映画&ブックレビュー ,

【映画レヴュー】クリストファー・ノーランの弟が魅せるSF世界『ペリフェラル ~接続された未来~』Amazonオリジナル

近未来のアメリカから超未来のロンドンへ飛び交う思考これは現実かはたまた仮想現実か!?

ども、バズメンくんの映画レビューでございます。本日はAmazonのオリジナルドラマシリーズ『ペリフェラル ~接続された未来~』です。製作総指揮を担当しているのはジョナサン・ノーランさんなのですが、なんと彼はクリストファー・ノーランさんの弟なんだそうです。今最も旬で人気な監督の一人であるクリストファー・ノーラン監督。『TENET テネット』『ダンケルク』等で超有名ですね。どちらも時間軸を歪ませるのが大好きな作品。
ジョナサンは彼の映画の脚本も務めているということで、実力も十分。設定が複雑でややこしいストーリー展開にも慣れていることは今作からもわかります。(*出典 wikipediaより→https://ja.wikipedia.org/wiki/ジョナサン・ノーラン)

『ペリフェラル ~接続された未来~』こちらは2022年にプレミア公開された作品でAmazonがAmazonプライムビデオのために作った作品です。では、見ていきましょう。*一部ネタバレがありますので未視聴の方はご注意ください。

 

sponsored link

SF未来映画『ペリフェラル』大体のあらすじ

ピックアップトラックと街に一人の保安官、そんなアメリカの田舎町に住む一家が仮想現実のゲームを始めたことから生じる危機に飲み込まれていきます。主人公はゲームが得意な若い女性フリンで、彼女が兄の代わりにゲーム内で賞金稼ぎ(人体実験の代わりに報酬をもらう)のようなことを代行したためにどっぷりと仮想現実の世界にハマります。
しかし、この仮想現実がどうやら嘘の世界ではなく未来と接続しているらしいことがやがてわかります。さらに、なぜか理由が分からないながら彼女たち一家は現実世界でも命を狙われることになってしまうのです。
さぁどうするフリン。仮想現実の世界を抜けてもつきまとう災難のあれこれ。一家は無事に危機を脱して生き残れるのだろうか。この世界と未来との秘密を解くことができるのだろうか。

 

この映画の素晴らしいところ

CGによる超未来(2100年ごろ)の世界が美しいです。超未来の世界はほぼロンドンが舞台です。このロンドンの街が未来的に表されているのですが、なかなか世界観があって美しいのです。大袈裟なCG全開の街でなないのですが、結構お金かけているなという絵作りで、変なCGのダサさがありません。しっかりしてます。
もちろん、未来なのにそれまだあるんだ?みたいな違和感はちょこちょこあります。例えばスマホは現代と同じような使い方がされていたり、未来なのに車が現代と大して変わらず運用されていたりします。ツッコミどころもあるわけです。
ただし、それが嫌な感じには見えない。程よく馴染んでいます。できることはCGでしっかりやって、無理なところは馴染ませようというようなはっきりしたSFスタンスで、それが成功しています。

このロンドンの世界観とそこに住む人々のキャラクター設定はかなりポイント高く作り込まれています。単純に強いオスと美しいメスではなく、SFらしい不思議で怪しい魅力に溢れた登場人物たち。重要な配役たちはそれぞれが一己のしっかりとした世界を持っていて、内装や背景もそれに合わせて作り込まれています。好印象です。

難しい設定になりがちなSF作品ですが、そこは流石にクリストファー・ノーラン監督の弟でもあり同作品の脚本を多数手掛けてきたジョナサン・ノーランさんの力量で複雑ながらも観やすく、楽しみやすく仕上げています。

このシリーズのもう一歩なところ

少し話が短調で、同じようなことの繰り返しが気になります。もう少し大きな展開があっても良かったかなとは思いましたが、そうすると八話完結では複雑になりすぎて無理なのかもしれません。ただ短調さを感じさせないような場面の作り込みだとか、CGのクオリティ、撮影のうまさなどが相まって退屈せずに全話を観られると思います。

それと、結構な危機が迫っているのに逃げたり武器を探したりせずに部屋でじっとしていたりする登場人物もいて、そこはちょっと違和感があります。「いやいや物音してるんだからさっさと窓を抜けて庭から逃げなさいよ」とか「武器探して、いっつも携帯してるんだから、部屋にもあるっしょ?」というような感じが所々あります。

 

総合的に

よくできていると思います。ロンドンとアメリカの田舎を行き来するという設定もいいですし、それぞれの街で起こる映像も見応えがあります。キャラクターによってアメリカ英語だったりイギリス英語だったりと雰囲気の違いも作られていて中々細やかな部分もしっかりしています。
話自体はマトリックスだとか最近多い仮想現実と現実世界への行ったり来たりに多々ある表現ですが、総じてCGのクオリティと役者の使い分けでうまく楽しませてくれます。全八話、ささっと見終えてしまうでしょう。

このシリーズが気にいる方は新しい方の『ブレードランナー 2049』を観ても楽しめるかもしれません。こちらはもう少し暗いイメージで作り込まれた世界観のあるSF映画。ドラマシリーズとは違いやはり映画は一本二時間でどこまで固有の世界を魅せられるかが詰まっているので質が高いです。

2023/12/30追記:さらにもう一本おすすめを紹介します。それはこのシリーズを共同で製作したリサ・ジョイ監督作品で『レミニセンス』です。彼女はプライベートでもジョナサン・ノーランのパートナーで子供もいます。そして二人で映像制作会社を起こし、TVドラマである今作『ペリフェラル』などを作ったんです。
で、そんな彼女とジョナサンが共同で作ったこの『レミニセンス』面白いです。過去の記憶を旅する装置を運営する主人公をヒュー・ジャックマンが演じ、彼を翻弄しながら現在と過去を旅する美女としてレベッカ・ファーガソンが登場。最後までどうなっているのかわからないSFサスペンス。見応えありです。
こちらもアマプラで現時点(2023/12/30)視聴可能ですので是非こちらからどうぞ→レミニセンス(字幕版)

今回紹介した『ペリフェラル ~接続された未来~』は現時点(2023/01/15)でアマゾンプライムビデオにて視聴可能です。プライムお試しもありますが、本加入しても月額500円は破格ですよ。たくさん面白い映画があります!最近始まったツイッターブルー認証より全然安い!ありがとうAmazon。

 

では、また次回の映画レビューでお会いしましょう。

Category : 映画&ブックレビュー

コメントを残す





ブログ一覧へ戻る