【映画レビュー】『ザ・スーサイド・スクワッド”極”悪党、集結』はガン監督の振り切りの良さ
ジェームス・ガン監督の潔い脚本と振り切ったグロ下品、CGの極彩色世界は必見
とにかくこの世界観を見て!といわんばかりの強烈な印象を残すジェームス・ガン監督/脚本のDCコミック映画版『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(字幕版)』のとんでもなさを試聴感想とともに検証していきます。ちなみにDCってCがコミックの略だからDCコミックっていうと少年マガジンマガジン、あるいは少年ジャンプジャンプみたいなことなんですよね。どうでもいい?ではあらすじどうぞ〜(若干ネタバレします)*本サイトはアフィリエイトプログラムサービスによる適正な収益を得ています。
あらすじはどうでもいい
あらすじはどうでもいいちゃ、いいのです。見ればわかるし細かな筋とか難しいことはほぼないです。あるのは下品を通り越して痛快とさえ言いたくなるほどの振り切った演出と笑えるグロテスクさ。
まぁでも一応あらすじ的な説明をちょっとだけしますか。
牢獄に囚われている超人犯罪者たちを使って、米国政府が内密に任務を行います。それは宇宙から米国が連れてきた謎の生物研究所を生物ごと闇に葬ること。この映画の主人公である悪党超人たちは、南米の島へ潜入し、仲間たちと協力してこの任務を遂行できるのだだろうか。という感じです。
監督であり脚本も書いたジェームス・ガン監督はかつてはディズニーでマーベルシリーズを担当していた名監督なので、細かな部分も抜かりがありません。(ディズニーには一旦解雇されたものの出演陣たちの請願で復活した手腕と人気を兼ねる監督さんです)
ここが面白いよ『スーサイドスクワッド』
あらすじついでに言っておくと、まず面白いのは劇中でも日本語で「怪獣」と呼ばれる宇宙からの生物。この生き物はヒトデ型をしています。そして脇の下から子供のようなものをいっぱい吐き出して、それが人間に寄生すると人間を操ることができてしまうのです。脇の下から出てくるミニヒトデという設定が笑えますし、飛び出る姿が映像的にも面白い。
それから、監督が徹底的に下品とグロテスクを振り切ってやり遂げていること。ここがポイントです。ヒーローとはいえ悪党ヒーローなので敵の倒し方も残忍です。むごたらしい殺人をこれでもかと繰り返します。が、あまりに大っぴらに下品でグロいことをさせるので、逆に悲惨さが消えて滑稽な笑いになっています。囚人の首が飛んだ後に、かつて囚人がいじめていた鳥と同じ鳥が死体に飛んできて、その肉を啄む。アクションシーンでは顔や手が吹っ飛んで木っ端微塵になったり、引き裂かれたりします。言葉で書くと恐ろしいのですが、ここはガン監督のうまさ、グロを振り切ってやり遂げているおかげで笑えてしまうのです。
他にも下品な小ネタが満載の作品でもあります。
この映画のストーリーとしての軸
この映画の柱として、大事な軸になっている点を紹介します。それは親子関係。
ヒーローたちの親子関係や育ちが所々に挿入されています。マーベル映画の監督でもあるカイカ・ワイティティがネズミ使いの父親として一瞬ですが登場します。クレオという少女は優しいその父親の影響を受けているのです。そのことで別の超人サメ男との友情が生まれます。
あるいは、別の主人公であるロバート・デュポアもアフリカ系アメリカ人として娘を育てています。娘を思いながらも、なぜかうまくいかない一人の父親として描かれます。実の娘にできない精一杯の気持ちを代わりにネズミ使いの少女クレオに示します。しかもネズミが大嫌いなのに。苦手を愛でもって克服しようとする父親を描いているわけなんです。
まだまだあります。
水玉模様男は母親の虐待的実験道具にされ、超人になってしまい心に病を抱えています。映画の最中に母の姿が至る所に見えてしまう。バカな親元で育った哀れで気弱な男を登場させています。
つまり、このようにして現実世界での親というものの奮闘や酷さ、育った環境によってそれぞれが抱える悩みがこの映画では描かれているわけなのです。意外と作りが細かい。
そんな問題だらけのアメリカが作ってしまったものが今回の怪獣、大ヒトデなんです。そしてそのヒトデの子が寄生した人間はもはや自分の意志では動くことができず、大怪獣の言いなりになって右に倣えしかできません。自分の頭で考えることができないのです。
そして、そんな量産だけされた怪物の子を退治しようとするのが、厳しい環境や貧しい世界に住む、現にもがいている”極”悪党たちなのです。ここまで仕込んでいる脚本よ!やるな〜
ここも見どころCGとカラーな世界観
CGは見事です。もう普通に日本映画の遥はるか上空を行っております。何をさせてもうまいし、違和感のない画面作り。水が自然に流れるし、火も爆発も滑らか。マーベルといいコミック系映画がCGの世界を牽引していますね。
そして、そのCGの力を思う存分に生かす世界観をこの監督、そして製作陣は持っています。もうね、色使いとか、必殺技とかで現れる異次元な空間とか、めっちゃ素敵なんです。
超人一人一人に見せ場となるシーンが用意されていて、そこでのコンピューターグラフィックスの使い方が完璧なんですよ。水玉男もハーレー・クイーンの見せる超人的な彩りの世界も。そしてラストのプニョプニョな環境で起こる一連のシーンも最高にイカしてます。ここだけでも見応えがありますよ。日本のCG業界は見習ってください。というかプロデューサーたちがそこへお金を注ぎ込んでください。
ということでですね、振り切ったグロテスクと下品、激うまなCGによる彩りと世界観。この二つが『ザ・スーサイド・スクワッド”極”悪党、集結』を最高のコミック映画に仕立てています。
視聴する際は字幕にしてください。それには理由があります。あの往年のアクションスターであるシルベスター・スタローンさんが声優で登場しています。どの役かは見てのお楽しみですが、アマプラの字幕版で是非ご確認ください>>『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(字幕版)』
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