【映画感想】『ゴジラ-1.0』は小学生には無理な映画か?
日本初VFXでアカデミー賞受賞の『ゴジラ-1.0』に小学生を連れて行けるか問題
米国や世界の権威ある映画賞を受賞すると、日本での来客が伸びるのは当然です。今回ゴジラ-1.0が日本映画としては快挙といえるVFXの分野でアカデミー賞を受賞しましたが、そのおかげで劇場では延長上映を決める映画館が増えました。ちょうど、3月の終わりというタイミングでしたので、学校は春休みに突入。平日の昼間でも満席に近い劇場も多かったようです。
で、今日はそんな中、ゴジラ-1.0は小学生を連れて行ける映画なのかといことを含め鑑賞の感想を書いていきます。
ゴジラを見た小学生が隣で「こわいこわい」を連発していた件
平日の昼間に映画館へゴジラ-1.0を見にいきました。春休みでその会は満席に近く、隣には保護者と離れて子供が三人横並びに座っていました。お母さんらしき人が「静かにみるのよ」といって、始まる前に後方の別の席へ歩いていきました。一塊の席をとれなかったようです。
いざ映画が始まると、割と早めにゴジラが登場、暴れます。そして、ドラマは進み東京の街を壊す破壊的なシーンが始まりました。その時点で隣の小学生は「こわい、こわい」を連発していました。
どんどんと大きくなる音に、ついに子供たちは耳を塞ぎ顔をポップコーンの中へ埋めるのかというほど下へ背けていました。
なんというか他人とはいえちょっと可哀想に思ってしまいました。
小学生にとってゴジラの怖さとはなんだったのか?
大人からみれば、そんなに驚くほど残虐なシーンはありません。内臓がとびでたり、ちぎれた腕や部位が転がってくるなどの表現もありません。
ですので、一見小学生でも倫理的には大丈夫そうな映画です。性的な場面もありません。
ところが、実際には小学生が耳を塞ぎ、顔を何度も背けて見ていた映画です。どこが彼女たちにそうさせたのか?
それはほとんどが「音と暗さ」が原因だったと思います。
重低音の響き、爆音の咆哮が小学生をびびらせたのでしょう。彼女たちが耳を塞いでいたシーンは爆音だった。そして、映画館特有の暗さ。
とはいえ、小学生は大人が平気だと思うシーンでも結構な恐怖を味わうのだと思います。前半のゴジラが人を口に咥えて遠くへ放り投げるシーンだとか、電車や船から人が落ちそうになるシーンだとかは怖いのだと思います。そしてゴジラのごつごつしたアップの表情。
結局小学生にはどうなのか?
個人によって恐怖体験の許容量というのは変わるので、ゴジラがトラウマになるかどうかは責任持てません。子供それぞれによって受け取るものは違うと思います。なので、なんともはっきりとは言えませんが、個人的な意見で言えば小学生でも見て大丈夫だと思います。(責任は取れません)
現在の世の中的に、昔より怖いものが減った気がします。昔は巷に怖いものが結構あったし、テレビでも怖い映画やシーンが結構流れていた気がします。そういう意味で言うところの「健全な怖さ」のようなものが『ゴジラ-1.0』にはあるように思いました。
なんだかわからないけど怖いものをみた記憶が子供の頃にあること。あの映画は怖かった。ゴジラはおっかなかった。というような思い出が小学生のうちなら残るような映画だと思います。可愛いものがもてはやされている現在だからこそ、そういった残虐ではないけれど「恐ろしいものをみた」という怖さ体験は子供のうちに経験しておくのも良いと思います。とくに友達や家族で同時に見たと言う思い出と共に。
自分も「あぁ、あの映画子供のころ怖かったなぁ」という作品が数本あります。それは今思えば貴重な経験をさせてもらっていたのだなと、ゴジラ-1.0を見て感じました。そういった非日常の体験は映画館を訪れたからこそのものなのだと再認識したのでした。
ストーリーとしても、戦争や暴力を礼賛するものではありませんでした。
『ゴジラ-1.0』劇場で是非。
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