LUTを当てるならカラグレの最後に、の訳
LUTは色編集時に最初に当ててはいけない
その訳をバズメンくん自身の備忘録として書いておきます。さて今日はいきなり結論を。
「Lutは最後に当てる」その理由は・・
『色域が狭まってしまうから』
その意味は、せっかくslogやHLG、Cine4など広い色域の設定で撮影した素材なのにLutを当てるとSD素材と同じ色域に戻ってしまう(色の範囲が狭まってしまう)からです。
では、なぜLUT(ラット)は最後に当てると良いのか?
それは広い色情報が入っている状態で編集した方が素材本来が持っている光や色を戻ってこさせることが可能だから。「戻ってこさせる」とは、グレーディング等の編集をする際に撮影時の多少のミス(少し明るく撮ってしまったとか)を回復させること。つまり撮影時にSlog、HLG等で記録しておけば色や光・影の幅がSD素材よりも広く撮れる。その素材を編集時に調整できるのはSlog、HLG等の強み。最初にLUTを当ててしまうとその強みだった情報が狭く縮小されてしまうので勿体無い。
グレーディングする時に明かりや影、色を戻ってこさせたい場合最初にLUTを当ててはいけない。当てるとSD素材で撮影したのと同じ状態になってしまい、いくらSLogで撮影したからと言っても明るさを蘇らせることはできない。Lutを当てるには順番があり色編集の最後の方で行う。そうすることで素材の持っている情報を無駄にせず広く選択することができる。
例えるなら・・100個の数字の中から好きな数字を一つ選ぶのと、80個の中から選ぶのではどちらが豊かか。
80個の方は選択肢が狭まる分仕事量は減るが選べるものも少なくなる。80個に減らしてしまったデータの中から100の方に入っていた情報を探してももう戻ってこないのです。Lutを当てただけでこの80の方の枠に狭まってしまうのは残念ですね。*数値はイメージです。正確にどの程度減るのかを表したものではありませんのでご了承下さい。
以上がLUTを最初に当ててはいけない理由です。
そして、もっとはっきりいうと・・
『LUTは別に当てなくても良い』
LUTは当てなくても問題ありません。時間がたっぷりあって編集作業を沢山できるならLUTを当てずに全てのクリップを撮影状態のところから自分好みに仕立てる方法も全然OK。LUTは作業を効率化させ単純化させることによってより早く自分好みの色味や明るさを持った映像に仕立てる方法の一つに過ぎないということです。
さて、今日のお題『ラットを当てるならグレーディングの最後に』はいかがでしたか。
HLGで撮影したのにダビンチリゾルブなどの編集ソフトで明るさの戻りが狭いなーと思ったら先にラットを当てていないか確認してみましょう。バズメンくんもよくよく覚えておこうと思いました。では、また。
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