【映画レビュー】アイスランドの冴えない大男の優しすぎる生活『好きにならずにいられない』
ボサボサ頭のオタクなブ男が北欧で不器用な恋をしたら?
冬のアイスランドが舞台のちょっと切なくて、少しハートが温まる映画はいかがでしょうか。
『好きにならずにいられない』あらすじ
北ヨーロッパの寒い国、アイスランドで空港のしがない作業員として働くブ男フーシ。彼は体がデカくデブで、髪は薄い上にボサボサ、趣味のジオラマを使った戦争再現ゲームをすることくらいしか楽しみのない冴えない男。母親と暮らすオタク中年(43歳?)だし、周囲からも変な目で見られる。
ただ彼は変態ではなく、とても根の優しい良い人間。とってもとっても優しいのだけど見た目による偏見で、周囲からは敬遠されてしまいます。近所の少女が遊んで欲しいと言えば断れないので一緒に遊びますが、中年と少女が遊ぶなとということは世間が許すわけもありません。
しかし、ある時ダンス教室に通ったためにフーシは好きな女性ができます。彼女のためならなんでもするほど恋してしまうのです。彼女の方もまんざらではなく、二人は恋人のような関係に向かっていくのですが・・
映画の見どころ
ブ男フーシの見たくれからは全く想像のつかないほど優しい彼の人間性。とんでもなく優しい。ステレオタイプでイメージで人(観客)は彼や彼のような人間を判断してしまいがち。しかし、よくよく一人の人として、人間を見ることができれば違った世界があるのではないか?そんなことを気が付かせてくれる映画です。
フーシがダメ男100パーセントな雰囲気なのですが、実際は不器用で優しい人間だということが映画を見ているとわかります。そんな彼に偏見から酷いことを行う人々。観客は「彼、違うのに」という感情を持ちながら映画を見ることになります。
しばらく映画を見ていると、見た目に感じるほどブ男でもないことがわかります。優しい瞳に柔らかく温厚な性格。観客はだんだん彼のファンになっていく。しかし、あまりに純粋で優しい彼のとる行動は逆に寂しさを誘発してしまうのです。うまくいかなくても他人のせいにしないで自分で受け止めるフーシ。一体二人はどうなるのか、静かなアイスランドの冬景色の中で淡々と話は進みます。
切なさを抱えながら静かに思いを馳せることのできる北ヨーロッパらしい映画です。
こんな方におすすめ
日々の生活で心がトゲトゲしているときに、何か優しい出来事を探しているとき。他人の温もりを求め、誰かに話しかけたいけれどちょっと勇気がないなというような心持ちの時。あなたにぴったりの映画ではないでしょうか。
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ではまた。
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