【映画レビュー】『ノースマン 導かれし復讐者』ビョーク、イーサン・ホークまで出演した贅沢な北欧のレヴェナント
北欧の肉体美溢れる王子がバイキングとなり父王を殺した裏切り者への復讐を目指す物語
アレキサンダー・スカルガルド主演で、ビョークやイーサン・ホーク、ニコール・キッドマン、ウィリアム・デフォーなど贅沢な俳優陣を使った北欧舞台の大作。
あらすじ
九世紀のスカンジナビア。少年時代に身内の裏切りに遭い、父王を殺された王子。バイキングの一味として姿を隠しながら成長し、復讐を誓うのだが。
北欧のアイスランドやロシアを舞台にしたヨーロッパの時代劇。
有名どころを配役した大作です。が、ちょっといまいち乗り切れない部分があるのでその辺りを振り返りつつ、見ていきます。
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ちょっと物足りない部分
なんででしょう、話に前のめりになってのめり込めないんです。引いた目で見てしまう。
展開が遅いのと、意味不明な叫びの時間が多すぎて冷めてしまうといいますか・・
話的にはどんどん引き込まれてもいいはずなのに、引っかかってしまうんです。ちょっと脚本がぼんやりしているかな。
出だしに少年時代の王子が現れた時は景色も美しく切り取られていて、「お、これは面白いかも」という印象があったのですが、そこから変にテンポが悪く、捕まえどころのないダラダラ感が続きます。
そして、所々にファンタジーな雰囲気の幻想的で美しい映像が挟まれます。これが、どうも溶け込まないんですよ。やりたいことはわかるのだけど、それと本筋との交差がうまくいってない。どっちつかずで両方の足を引っ張っているように思います。
なのでファンタジーをより強めて指輪物語に寄せるか、歴史物としてブレイブ・ハートに寄せるか、復讐の執念と残虐性、極寒の厳しさなどを中心に描くならディカプリオの『レヴェナント:蘇りし者』に寄せるか、はっきりした立ち位置が欲しかったですね。
見どころ
とはいえ、見どころがないわけではありません。俳優にお金をかけているので皆さん顔立ちが綺麗です。味のある女優さんも出ています。その辺りは頑張ったな。
冬の寒そうな景色やどこで撮影したのだろうかと思わせる、美しい人気のない灰色の海岸などは環境ビデオかと思わせるぐらい素晴らしいです。一見の価値はあります。
それだけに展開のノリの悪さが残念ですね〜
出演者は豪華なので、関連作を探してみても楽しいかなと。いい方に考えましょうか。
出演者の主要作品等
アレックス・スカルスガルドことアレキサンダー・スカルガルドが主役のマッチョな王子を演じます。ところでこのスカルガルドさんの一家は映画家族なんですね。お父さんは実力派のステラン・スカルガルドで、先日レビューした『DUNE/砂の惑星』でハルコネン伯爵を演じた人です。おっかない役が結構多いおじさまです。『ドラゴンタトゥーの女』にも出演しています。
暗殺された前王はイーサン・ホークが演じていました。イーサン・ホークといえば恋愛ドラマの『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)』それから若い頃の青春群像『リアリティ・バイツ』もカッコよかったですね。今作では渋い王様役です。
ビョークは魔女役で出演。ビョークといえば『ダンサーインザダーク』という方も多いかと思いますが、2023年に来日した際のライブ映像もかなり秀逸なのでみてください。色彩とファンタジーに溢れていてみほれます。
その映像の制作過程を追ったドキュメントは>>youtube『Bjork コーニュコピア』撮影背景裏側
ニコール・キッドマンはキューブリックの遺作『アイズワイズシャット』でトム・クルーズと共演。
主演のアレクサンダー・スカルスガルドは今回と同じような裸美の『ターザン』など
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なんと、この記事を上げたタイミングでアニャさんが声で出演するマリオがU-NEXT上始まりました。こちらからチェックできます>>『『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』』 オンライン新作からどうぞ〜
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まとめ
やりたいことは分かったけれど、どれも中途半端でチグハグな印象が勿体無っかった作品。
ただし、アレックス・スカルスガルドの肉体美と自然の映像美、共演する役者陣は豪勢なので一回くらいならみてもいいかなー。五点満点中星三つくらいが妥当な雰囲気です。コロナカに撮影したようなので頑張ったとは思いますが惜しい作品でした。
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