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【映画レビュー】『ディナーインアメリカ』不器用な二人のハードでちょっとかわいい青春映画


ディナー・イン・アメリカ(字幕版)

出だし悪趣味なのに最後はすっきり感動もしちゃう「パンクとオタクのウェスアンダーソン的青春映画」

まずは声を大にして叫びたい「ディナー・イン・アメリカー」

視聴後に叫びたくなる気持ちのいい映画です。とはいえ、アメリカのダイナーを取り上げた洒落た食事がメインの映画ではありません。クセのあるかわいいパンク野郎と小娘のラブストーリーです。
ただ、出だしがB級映画なみの露悪というか、悪趣味な露骨表現からスタートするので、ここで視聴をやめてしまう人も多いかもしれません。でもそれには勿体無い作品です。
最後までみると結構気分のいい映画です。きっとあなたも表面には見えない主人公たちのかわいさがクセになっていることでしょう。(*今回はネタバレは最小です)

 

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ディナー・イン・アメリカー』あらすじ

アメリカのまぁmぁお金持ちが住むエリアで、不器用な二人が出会います。女の子は常用している薬と性格のせいで世間からはボーッとしたキモい女と思われている娘さんです。エミリー・スケッグスがオタクで風変わりな小娘を熱演。
彼女はとくにやることもなく、家のバスケットボールコートで一人玉入れをするか、大好きなパンクロックグループの歌を聞くことぐらいしか楽しみはありません。
ところがある日、一人の男が警察の追手を逃げて彼女の前に現れます。男は犯罪を犯して逃走している身なのですが、実はこの男の子がパンクロックのボーカルだったのです!この男を演じるのはカイル・ガルナー。
男のほうも世間とは馬が合わず、いつもはみ出しものですが精神はパンク一筋、あらゆる行動にパンクの傾向が現れます。女の子はそんな彼に惚れてしまい。初めての恋に落ちます。二人は心を通わせながらこのクソッタレな近所の馬鹿どもの中でなんとか一緒にいようと奮闘するのですが・・

主人公の二人を演じる役者さんには馴染みがありませんが、サンダンス映画祭にもオフィシャルセレクトされた実力のある映画です。

 

ここがいいよ『ディナー・イン・アメリカー』

出だしのキャスト表記にあわせ、ブチ込んでくる音楽のセンスと映像の切り方がいいです。バスっと切った映像と潔いブチ込み具合の音楽。若いエネルギーの弾ける映画が始まるぞというオープニングに勢いを感じます。

パンク好きの二人が主人公なのですが、街はみんな裕福そうで金持ちのお家が多そうなんです。そこえ来ての生きづらそうな二人との対比。バス停やベンチの見せ方とかが映像的に上手です。描いている細かいシーンは所々に結構生々しいシーンもあるのですが、なんというかそれが嫌らしくなく、割とリアルに感じるのです。やり場のない若者のうっぷんとかキモさ、ですね。それが全体として良いスパイスになり、コメディに活きてきます。

 

主人公の二人がいいです。顔がバッチリだし、この二人以外に考えられない魅力があります。脇役も個性的な脚本ながらバッチリとはまっているのはキャスティングの魅力だと思います。

ちょっとウェス・アンダーソンを感じさせるような雰囲気も良いです。決して真似しているという感じではありません。独特なんだけど、どこか親と一緒にはみたくない場面や、ウェスアンダーソン作品には足りない部分をこの映画は持っています

アメリカの気持ちいい青春コメディ

始まり方こそ、B級映画かなと思わせるような激しめのつくりですが、全体としては主人公たちにすんなりと感情移入できる作りになっています。それでいて、若者らしい気持ちよさと馬鹿さ加減がバランス良くミックスされていて、だんだん二人が素敵に見えてきます。そして、最後に至ってはもうちょっと二人を見ていたいなと思わせる可愛さに包まれてしまいます。
彼女たちの表面には現れない人間の可愛さみたいなものが映画の全編を通してすこしずつ染み出し、いつのまにかこちらに侵入していた、そんな感じです。

汚いのに清々しい!

そんなキャラの濃い二人にまた会いたくなるアメリカ青春露悪映画。タイトルも視聴後になかなかいいね〜となるツボを押さえています。『フランシス・ハ』的なタイトルの良さがあります。

ではお楽しみください。

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