旅人を守るビットコイン【テンプル騎士団のトラベラーズチェックに終止符】
キリスト教とBitcoinの間に関係があった??
聖戦士と仮想通貨の接点とは?
世界で最初の預託銀行をビットコインが終わらせるか【暗号通貨の将来】
「今日はテンプル騎士団と暗号通貨の関係です」、、といったところでテンプル騎士団ってなによ?という方もいらっしゃいますね。
テンプル騎士団は11世紀から13世紀にヨーロッパで活動したキリスト教の軍団です。
11世紀?
ビットコインとの関係って無理ぽー(強引で無理)じゃない?
いやいや、11世紀からの流れをみると21世紀の残りが見えてくるんですよこれが。ということで、早速テンプル騎士団とビットコインの関係を探ってみましょ〜う。
まず、テンプル騎士団はなにをしたか?
彼らは世界でも最古、現在でいう預託銀行のシステムを始め、トラベラーズチェックを発明しました。
トラベラーズチェックとは旅人用の小切手のようなもので、過去には現金の代わりとして旅行者必須アイテムでもありました。
しかし、聖なる軍隊がなぜトラベラーズチェック?と思いますね。
その答えは、お遍路さんにありました。
トラベラーズチェックが生まれた歴史の背景
当時のヨーロッパはイスラム世界との戦争の真っただ中。お互いに聖地を奪還したり死守したりと激しく戦っていました。そんな中でも聖地巡礼は行われ、一般の信者は巡礼路を歩きました。
現在だとサンティアーゴ・デ・コンポステーラやアッシジが日本でも有名ですが、ヨルダンやエルサレムにも聖地がありました。
巡礼路とはいっても現在のような安全な旅ではなく、盗賊も多く、種々の危険が潜んでいる道程でした。
そこで、強い信仰心で組織されたテンプル騎士団に光りがあたります。彼らは信仰心だけでなく武力としても強固な軍団でしたので、その聖道を守る役割を引き受けました。
その際に、旅人の財産を守る目的で預託証を発行することを思いつきます。これがその後、現代まで続いていくことになるトラベラーズチェックの発明です。
そして21世紀のまさに今、この1000年遡れるトラベラーズチェックがビットコインに取って代わられようとしているのです。
<トラベラーズチェックからビットコインへ>
テンプル騎士団の発明したトラベラーズチェックは、盗賊等の危険から旅人の財産を守りました。旅行者は出発前に現金を騎士団に預け、預託証を発行してもらいます。
騎士団の印の付いた預託証は巡礼路の各地に点在するテンプル騎士団施設で再び現金に戻すことができ、買い物や支払いに使用が可能でした。
まさに、現代まで続いたトラベラーズチェックの原型です。
21世紀でも人の行いに大差はなく、盗難や事故といった旅中の災難は現金の個人輸送という旅行者の悩みの種でもありました。
そんな旅行者の悩みを解決したトラベラーズチェックがトーマスクックやアメリカン・エキスプレスによって世界中で使えるシステムにまで押上られたのは言うまでもありませんね。
ところが、2014年にアメリカン・エキスプレスは新たなトラベラーズチェックの発行を停止し、事実上歴史に幕を下ろすことを決断しました。1000年続いたこのシステムを終焉へ向かわせたのは、インターネットとスマートフォン、クレジットカードの融合でした。
まず最初に旅人はクレジットカードを持つことで現金を持ち歩かなくてよくなり、スマートフォンとインターネットの結合が、支払いを現地でするという危険から旅人を解放しました。
お財布にはコーヒーを飲む程度の小銭とクレジットカードが入っていればよくなったのです。トラベラーズチェックを持ち歩く必要がなくなりました。
そしてiPhone以降の近年はインターネットを個人が外へ持ち歩ける時代が来ました。そのお陰でクレジットカードさえ持ち歩く必要がなくなりつつあります。
ネット上の財布(ウォレット)に残高があれば、車を買う大きめの金額からジュースを買う為の小銭さえ携行する必要のない時代がすでに始まっています。
そして、暗号通貨ビットコインの登場
やがて、クレジットカードは近い将来に姿を消すでしょう。
個人がビットコインを使ってダイレクトに1:1で商店主やサービス提供者と代金授受の支払い作業を完結できるのですから、間にクレジット会社を挟む理由がなくなります。
ATMの手数料13%とかスキャムだろ。。
安いATMに移動したけど。
ドイツ来てから、現金で消耗中。 pic.twitter.com/iNsEsEnV8s— Junya Hirano @ベルリン (@junya_1991) 2017年9月12日
ATMに限らずクレジット会社を通せば手数料が発生しますが、お客さんと提供者が対面でやり取りすれば済む暗号通貨での授受は、基本的には二人称だけでコトが済むのでコストが下がります。(マイナーへの報酬支払いやアプリの必要はここではややこしくなるので省きます。)
トラベラーズチェックが1000年続いたことを考えれば、クレジットカードの命は短いものだったと懐古する日が直ぐそこまで来ています。
テンプル騎士団が旅人の財布の中身を一旦預かり、旅中の安全を保護したように、現在はブロックチェーンの技術が個人の財産を的確に保持し、そのデータは国境を越えても安全に引き出すことが可能になります。
つまり、我々の世代はカード会社や銀行といった第三者を介さずに自分の財産を安全に持ち歩ける『世界財布』ワールド・ウォレットを手にした最初の人類になったのです。
ブロックチェーン上に記載された暗号通貨(ビットコイン)は旅中の盗賊や各国の情勢、有事から旅費を守るだけでなく、人種や宗教、国境を越えて通貨を運べる革命的な財産輸送でもあります。
テンプル騎士団がキリスト教巡礼者の財産を守る目的で発明したものが、今、千年の時を経てその存在を終えようとしています。
そこに終止符を打った暗号通貨やブロックチェーン、スマートフォンといった技術が、宗教を越え軍事異変からも個人の財産を守るモノへと発展していったことは特筆に値するでしょう。
その先にあるのは、もしかしたら通貨そのものからの解放なのかも知れません。
コメントを残す