初心者バズメンくんのカメラ実験と映画日記です。

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忖度なし!初日視聴感想速報『マッドマックス:フュリオサ』は駄作なのか、狙った映像違和感か!?

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『フュリオサ』を劇場で公開初日に見てきた素直な気持ちです。

まず、「これでいいんか!」と笑ってしまった映画でした。こんなチープな映像でみんな満足するのか?
では、これから感想を書いていきます。*ネタバレしますので、未視聴の方はご遠慮いただくか、視聴後にごらん下さい。

 

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これはヤバいだろ『フュリオサ』のおかしなところ3選

その1「VFXの合成が死んでいるレベル」

なかなかこんなにひどいCGの合成をいまどき見れませんよ、というレベルなシーンがあります。B級映画としてならわかるのですが、これだけ大掛かりなハリウッド大作では稀に見る陳腐さでした。完全に背景から浮いているどころではありません。それこそ「第3の男」の時代ですか?というくらい走行している車と背景が分離しています。
「ゴーストバスターズ」初代作とか80年代?というレベルのCGがあります。
上手なユーチューバーの方がグリーンバック合成うまいんじゃね?と思わせるレベルです。いやむしろ、撮影失敗したならそのシーン全部カットしてもよかったんじゃね?と思いました。酷過ぎて逆に笑ってしまい、記憶に残るシーンにはなりました。

 

その2「映画でタイムラプス使っちゃうの?!」

いやーーー、笑ったなぁ!ジョージ・ミラー監督のGOサインでたの?だれの案なの?
悪役として描かれた世界の総本山でタイムラプスかよ!しかも全然効果的でもなんでもないシーンになっちゃってるじゃん。

あ、ちなみにタイムラプスというのは一応説明すると、カメラを定点に置いて長時間コマを飛ばして撮影し、結果として早送りのような映像にしあげる撮影方法です。よくあるのは花が苗から開花するまでを一分で紹介する映像や、ビルが更地から竣工するまでを早回しでみせるような映像に使われます。

これは、テレビとかYouTubeとかでよく見られる昔からある技法ですが、映画とかシリアスな作品に使うと一瞬にしてチープな印象になることが多々ある映像です。これをかっこいい悪役のベースキャンプでやってしまってはだめでしょう、を通り越して斬新か?

 

その3「なんかちょっとだけ早送りしてます?」な違和感のあるシーンが多々ある。

前述のタイムラプスとは別で、ほんの少し早送りしたような不自然な動きをするシーンがところどころに見られました。わかりやすくいうと、チャップリンの時代の映画をみているような感じ。人間の揺れ方や動きがコマを飛ばしてコミカルな違和感のある動作に見えます。これも異常すぎて笑ってしまいました。どんなに悪いことしている役だろうと、シリアスなシーンだろうとこの早送りしたような映像にすると真剣味は消えてお笑いになります。

 

以上この3つが最高に違和感を感じた点です。それで、ちょっと考えたのですが、これには二つの理由があるのではないか。

仮説その1「予算途中でなくなった説」

前半はわりと普通に見られるのです。後半途中からアレレ?という感覚が顕著になります。そして極め付けの「VFX合成死!」このシーンだけ別の会社が担当したのではないかな?というほどの違和感があります。なので、もしかして予算無くなって別のところに頼んだのかな〜という邪推です。それと時間をまかなければいけなくなり早送りした説もあり。「マキで終わらせて!」

仮説その2「もしかしてワザとやってる?」

あまりにも露骨におかしなシーンが多いので、もしかしてワザとB級仕立てにしてる?と考えてしまいました。というのも、VFXをいくら頑張ったところで2024年前半に先行して公開された『DUNE 砂の惑星 Part2』の洗練されたVFXには到底敵わない。むしろ観客に違和感のない完璧なVFX合成を提供しても、今更なんの記憶に残る映画を作ることはできない。製作陣がそう考えて、あえてひっかかりのある陳腐な仕上げを望んだ。

 

脚本もイマイチだった『マッドマックス:フュリオサ』

簡単に説明すると、誰にも感情移入できないつくり。まぁ単純にフュリオサに感情移入させるのが王道なのでしょうが、どうも中途半端な脚本で感情のおきどころがない。悪役にしても、愛すべきダメなヤツ感も全然中途半端。「マッドマックス2」の首領と部下のチョークスリーパーで落とす悪役同士の名シーン的な思想はどこへ行ってしまったんだ!悔しい。
マッドマックスシリーズは悪役が滑稽だけど恐ろしいけどなんかクセになるキャラクター性が最高な映画だと思っていましたが、今作に限っては残念な結果。(マッドマックス2視聴感想はこちら→「マッドマックス2感想」

それと、今回抜擢された悪漢ディメンタス役のクリスヘムズワースのキャラクターに説得力がいまいち。まぬけでバカっぽく描いているシーンもあるのだけど、あのバイク集団の大群を率いる才能と能力がどこにあるのか描写がないし、あまりに説得力がない滑稽なリーダー像に終始してしまいました。

 

終わりのサービス映像的な過去作振り返りは必要なのだろうか?

最後の最後、『怒りのデスロード』と『フュリオサ』とのつながりを説明する映像のいくつかがあります。あれいらないでしょ?というか、過去の傑作からおいしいところだけ引っ張ってきて擦り続けるの勿体なさすぎです。あのFR、怒りのデスロードで登場した車の先頭でギターを掻き鳴らす赤い衣装の奴、映画の中でもう一回見たいと思ってたし、今回も登場したら嬉しいなと思っていたけど、出すにしてももっともっと丁寧にしてほしかった。あんないい加減な振り返り映像だけで出すなら思い出にしまっておいた方が良かった。

 

ここは良かった『フュリオサ』

なんとか良かった点をみつけようとすればここかな?というのを書きます。

・変な形のバイクがいろいろ出てきたり、乗り方のおかしなバイクが登場する乗り物シーン

・アニャテーラージョイの個性的な顔立ち

今後サッカー場で聞くことができるかもしれないイモータンジョー讃歌がうまれたこと(笑えます)

・イモータンジョーと銀のスプレーにもう一度会えたこと

 

こんなシーンがあっても良かった点

VFX全盛の時代だからこそ、モーターサイクルや悪漢たちの巻き上げる粉塵、砂埃を実写でもっと見せて欲しかった。砂埃は『マッドマックス2』が最高です。『フュリオサ』ではバイクの台数をやたら増やすことはCGで可能になり、軍団の多さをみせていますが、迫力としては過去作ほどではありません。

それと、それぞれ主要キャラクターをもうすこし劇的に登場させてもよかったかもしれません。もったいぶった登場が欲しい。というか、新しい独創的な登場人物を生み出すことは今作では叶わなかったなぁと思いました。

 

ということで、ちょっと物足りなさがが残る映画でしたが、これを見た後でもう一回『マッドマックス2』や『マッドマックス:怒りのデスロード』といった傑作を見返すと気分を取り戻すことができるかもしれません。結局マッドマックスという映画に惚れてしまった者の弱みです。

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砂埃と荒地のカーアクション、キャラ立ちが最高傑作なパート2
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