初心者バズメンくんのカメラ実験と映画日記です。

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【映画レビュー】パリの調香師 しあわせの香りを探して


パリの調香師 しあわせの香りを探して(字幕版)

パリ発、際どい大人二人の静かな香水物語現る

ども、バズメンくんです。今日は現代フランスらしい映画を紹介します。タイトルは『パリの調香師 しあわせの香りを探して』です。香水の調合を行うアンヌという中年女性とそのドライバーに雇われた中年男性のお話。しかしこの二人がそれぞれ問題を抱えていて、ギリギリの際どい生活をしているのです。さぁ、この二人の中年は残りの人生を幸せに向かって歩むことができるのか。では、早速レビューして行きます。

 

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あらすじ

離婚調停中(?)の妻の元で暮らす一人娘のことを考えながら生きているブルーカラーの素朴な中年男性ギョーム。彼は娘と暮らしたいのでなんとか部屋数の多い新居へ越すために頑張っています。しかし、仕事は正社員ではないドライバー業務で裕福とは縁のない生活をしています。なんとか娘と暮らすために、この仕事にしがみつき新居を手に入れなければいけません。しかし、そのギョームが新たに配属されたドライバーの仕事は曲者婦人のリッチな女性アンヌでした。

このアンヌという女性はある種カリスマな調香師なのですが、仕事一筋できたために人付き合いもうまくいかないし、さらにはストレスや過労から鼻が効かなくなる病気を過去に発症するなど彼女自身もギリギリな際どい中年時代を生きています。
リッチな彼女は気難しく、一方で人情味のあるギョームとはそりがあわないのです。この二人がさまざまな出来事やお互いの仕事を通して、関係を築いていくドラマです。

 

際どい二人

男女どちらも中年でパッとしない見た目。男性は離婚問題と間も無く思春期を迎える子育て問題、仕事の問題を抱えています。女性も仕事と病(体)、人間関係という問題を抱えていて際どい人生を歩んでいます。そんな二人の際どい人間が出会ってしまったところでドラマが動き出す訳です。
ここがフランス的です。どちらも顔やスタイルはハリウッド映画のスターたちのような豪華で煌びやかなものではなく、その辺のスーパーやデパートの食品売り場で買い物してそうな雰囲気の普通の顔立ちです。そして、ドラマ自体も派手な騒がしい出来事が大々的に起こるのではなく静かに進んでいきます。この辺りの見せ方はフランス的だなと思います。
タイトルでもわかるように基本的には調香師という香水を作る人の仕事を描いた映画なのですが、実は一方でタイトルにはないしがない運転手の話でもあるのです。そちらからもタイトルをつけるなら『パリの運転手、幸せの道筋を探して』でしょうか。

つまり、相反する二つの立場のものを掛け合わせることで生じる軋轢や食い違い、意見の相違などをいかにして一つにまとめ、問題を克服して一本の人生に仕立てていくか。それは一本の香水を生み出す過程でもあり、一つのルートを完走する運転手の技量でもあるわけです。最良の選択をして問題をクリアし、良い決着へとたどり着くための物語を二人の人生で見せるわけです。

もちろん映画なので脚色が各所にあり、ドラマチックに仕上げていますが、観る人々がそれぞれの人生に置き換えて立場の異なる人間と過ごす人生のひと時を擬似体験できるでしょう。とはいえこの映画の観やすいところは小難しく作っていないところです。分かりやすいストーリーに分かりやすいキャスト、展開。先を簡単に読める人は物足りなさがあるかもしれません。大きな驚きもなければ大きな落胆もない、割と静かな映画です。ただこの二人の俳優さんは演技が上手いので二時間サクッと楽しめます。

あまり起伏の激しい作品が気分ではない時に観ると良いかもしれませんね。それから香水好きな人が見れば普通の人よりも一層楽しめるかもしれません。エルメスとディオールが一部監修しているというのも頷けます。

 

さらにもう一本香水映画を見るなら

最後に香水にまつわる別のおすすめ作品を一本紹介して終わります。
それは『パフューム ある人殺しの物語 』です。この映画はおすすめです。今回の作品より好きです。こちらは天才を超えて魔術的ですらある調香技術を持った青年が香りで人々を魅了し朦朧とさせていく映画です。そこに殺人事件が絡んできます。なんとその青年調香師は処女の香りに魅了され彼女たちを探し求めるようになっていくのです!
時代劇的でドラマチックな作りなので、夢のような世界が広がっています。映像美も凄まじいです。
あまりに魅惑的な香りで街自体も影響下に置いてしまう彼は一体何者で、どのようにしてその香りを作っているのか。その秘密が少しずつサスペンスを深めながら解き明かされます。ぞくぞくするようなドラマ展開と香りの描写。たまりません。こちらも是非ご覧いただきたい一本です。
パトリック ジュースキント原作の本もありますので気になる方はどうぞ→ある人殺しの物語 香水 (文春文庫)

この映画『パヒューム ある人殺しの物語』はAmazonプライムには執筆時になく、u-nextにありましたので興味のある方はこちらから↓どうぞ。
u-nextでパヒュームをチェックしてみる
さて以上で今日映画レビューは終わります。本日紹介した映画は執筆時時点でアマゾンプライムで視聴可能です。是非ご視聴の上感想をください↓
パリの調香師 しあわせの香りを探して(字幕版)

ではまた次回の映画レビューで会いましょうか。

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